げ 玄上八絹(げんじょうやきぬ)

「茨姫は犬の夢をみるか」玄上八絹

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「茨姫は犬の夢を見るか」玄上八絹

<あらすじ>

警視庁の非公式部署に所属する刑事・奥村智重には「犬」と呼ばれるパートナーがいる。「主人」である智重を守るため、危険に飛び込む「犬」・石凪信乃。ようやく想いが通じ合った二人だが、ある日、智重の先輩で元特殊部隊のエース・玖上禪が着任、禪の「犬」である五係所属の謎の多い分析官・篠宮犬姫とともに智重・信乃は任務に就くことに…。

<コメント>

近未来ファンタジー「しもべと犬」の続編です。新たな「犬」出現で、さらに「犬」の生態(笑)や仕組みがわかりやすくなっています。

今回、智重(ともえ)と信乃(しの)のカップルより、先輩禪と犬姫とに焦点があたっているので、やや智重ファンの方には、物足りないかもしれませんが。。

それでも、お約束のように信乃がピンチに陥り、智重のために命を賭けますので、智重といっしょに読者もはらはらさせられますのでお楽しみに。。。ヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ

禪のために生きていくための能力ぎりぎりまで捧げている犬姫、1日のうち数時間しか起きていられないのですが、そのあたりすごくわかりやすい書き方をしてあって、すごく自然です。

犬姫の禪への思い、智重といっしょに仕事ができる信乃への嫉妬が、大きなテロ事件に被さって、緊張感を盛り上げます。

テロ事件の背景も、あり得そうな内容なだけに、説得力がありますよ。(-ω-)/

テロ事件という緊迫感あふれるストーリーですが、殺伐としていません。

飛び散る血や、薔薇の花束、レースの天蓋、紅い膝掛け、犬姫の潜む蒼い暗がり・・と、すごく描写がビジュアル的で、美しい物語となっています。

最後の読者サービスのようなお仕置きシーンも、なんともエロティックで、てんこ盛りの要素に満腹させて頂きました。

玄上先生のサイトでは、ブログの方にSSやおまけエピソードなどもあり、読者を喜ばせてくれます。

玄上先生のHP「鯨骨生物群集」はこちらより

PS.「千流のねがい」と「しもべと犬」とスピンオフ本なのだとはじめて気づきました。。

人形制作に関わっているのが同じ一水(いずみ)さんでやっと気づきました。。(;^_^A

同じ時代背景とは思えなかったんだもん。。

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「千流のねがい」玄上八絹

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「千流のねがい」玄上八絹

<あらすじ>

満月の夜、神社の格子越しに美しい金色の「神様」を見て以来、神社に通う小学生の颯太。颯太が見たのは、「神」のレプリカ「きつね」だった。ある日、先代の跡を継ぐため社にやってきた「きつね」の凛は「神様」を呼ぶ颯太の声に我慢できず答えてしまう。やがて颯太と凛は心を通わせるようになる。存在すら知られてはいけない「きつね」と人間の恋の行方は…。

<コメント>

玄上先生の作品は、その独特な世界観があり、作品の背景を理解するまでがとっつきにくいという難点がありますが。。

理解できたら、そこは玄上先生独特の世界がなんとも癖になるファンタジーです。

といいながら・・今まで放置していたのは、今回その世界観になかなかなじめなかったんです。

すみません、玄上先生。

1月のインテで千流のねがいの番外SS「イニシアチブ」をいただき、あわてて読みかけだった千流のねがいを探し出してよみました。

人工の神様であるきつねに少年が恋して、神社の格子越しで凛と仲良くなりたいと訴えるシーンが延々とえがかれて・・・

そりゃお百度参りならぬ、千度参りを主人公颯太にさせるためなので、毎日毎日かみさまの凛に会いにやってきます。ほぼ8割型、そのシーンですが・・

ラストのどんでん返しに、それが生きてくるんです。

何度も何度も、凛がほしいと願つづけ、そしてこのラスト。ジーン(ノω・、)

お百度参りは、ここに通じるのねと、作者の意図に関心しました。

毎日一円づつお供えして、千円分、供えることができたその暁に、願いが成就します。

ラストの姿は、凛と颯太をみまもっていた、神主の征士郎と、先の神様、鞘の願いでもあったことで、征士郎たちの関係も大きく物語にかかわっていて、ラストをさらに盛り上げてくれます。

そして、読後にやっと読むことができたSS。はーこんな贅沢ってないです。

玄上先生ありがとうございました。

しかし、鞘と凛の大好物の栗と銀杏のおこわ。。すげえおいしそう・・千流にでてくる征士郎の作る料理も、和菓子もすごいおいしそうだったんですよねぇ・・

玄上先生料理の才能ありとみた・・(≧m≦)

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「しもべと犬」玄上八絹

32098614 「しもべと犬」玄上八絹

<あらすじ>

警視庁の非公式な部署に属する刑事・奥村智重(おくむらともえ)は、人間の細胞から作られた人型の「犬」と呼ばれる生命体・石凪信乃(いしなぎしの)を与えられ、組むことに。自らが傷つけられることなどものともせず、危険の中に飛び込む信乃。「主人」である智重を恋い慕う信乃に、智重は冷たい。時には身体を繋ぎながらも、信乃は智重との距離に心を痛めているのだが…。

<コメント>

犬によわいはるです。。笑

インテのお供につれていった犬話です。。大阪入りした土曜の昼食、喫茶店でドリアを待っている間に読んでいたんですが、切なくて涙がでました。。鼻をすすりながらドリアを食べましたよ。。ヽ(;´Д`)ノ

日常的な背景のなかでストーリーを展開することを得意とする先生と、異世界をベースにしたストーリー展開を得意とする先生がいますね。

前者は木原音瀬先生や、杉原先生ですが。。。玄上先生は、後者のタイプです。六青先生もですねえ・・

だもんでキャラをつかむのに多少戸惑うかもしれませんが、大丈夫、ベースはBLです。切ない恋愛小説というスタンスは、かわりませんので、まずは波にさらわれるぐらいの気持ちで身を任せ、読んでみてください。

主人公石凪信乃は、犬の遺伝子を組み込まれた人工的に作られた人間です。人間の格好はしていますが、犬らしさを捜査に使う為配備された、警察の備品です。

犬ですので、主人に忠誠を誓いますし、主人と決められた人の役に立ちたいとそれだけを目標に生きています。

夜のお勤め(笑)も、主人に求められたら喜んで従いますが。。

主人である刑事の智重は、決して心を開こうとしません。慕ってくる信乃と常に距離をおこうとします。

主人との距離に寂しさを感じていますが、それでも主人のそばにいられるだけで幸せだと自分に言い聞かせる信乃は、健気です。

智重の役に立つことで、智重のそばにいつづけたいと思っている信乃は、危険な捜査でも身体を張って挑みます。そのため智重の身をかばって怪我することもありますが、それでも智重のそばで一緒に仕事を続ける為には、役に立つしかないと思って無茶をします。

そんな神経をすり減らす毎日、智重に心をひらいてもらえない信乃は、犬遺伝子で頑丈なはずなのにだんだんと弱って行きます。

信乃を作った研究所の所長は、智重に「信乃を愛してやってほしい」と懇願しますが、智重は、決して受け入れません。

何故受け入れてもらえないのかと、読者も信乃といっしょにぐるぐるしますよ。

実は受け入れたくても受け入れられない智重こそ、悲しい人だったのですが。。

犬遺伝子の人間てすごくいいですよ。

遺伝子に刷り込まれているということで、主人への愛、自分の愛する気持ちに何の疑いもなくまっすぐに愛して、全身で愛していると表現しているその姿は、幼子が母親を求める姿のようで、母性本能をくすぐられますよ。。(T_T)

それを拒絶しなくてはいけない智重の葛藤も想像したら胸が痛くなります。

犬ものってやっぱり、いいですねえ。。この犬ものシリーズにならないかなあ。。

あとがきで、タイトルのしもべを漢字にしたら「僕と犬」、ぼくと犬って、ほのぼのした話と間違いそうなのでまぬけな感じがするけど、ひらがなのままですと先生も苦笑されています。

たしかに、「僕と犬」ってショタ?。。はるは、萌えないです(*ノ∀^)ノ゛))アヒャヒャ

玄上先生のサイトはこちら鯨骨生物群集・・サイトへの入り口が左下で、とても小さいので、見落としのないようにご注意ください。竹美家らら先生との合同サイトです。「千流のねがい」のちび凛の無料壁紙も配布中!

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「篝火の塔、沈黙の唇」玄上八絹

Photo_116 「篝火の塔、沈黙の唇」玄上八絹

<あらすじ>

島の灯台に幽閉され、腹違いの兄たちの慰み者にされている椿は、敷島子爵家の嫡男として生まれた。しかし生まれてすぐ盲目となったため、家を継げず、今は兄2人に嬲られる日々を送っている。ある日、椿の元に十左(じゅうざ)という男がやってくる。十左は椿を救おうとしたとはいえ、椿から父の日後を奪った男だった。名を隠し、椿の世話係となった十左は、兄たちに仕込まれた薬で苦しむ椿を慰める。やがて2人は心を通わせ始めるが・・

<コメント>

ルチル文庫大型新人ですよ。しかも、分厚く、読み応え十分。どうしちゃったんですか??

文章はとてもこなれています。BLによくある、時代考証むちゃくちゃなしゃべり口調ってのもないですね。

やや義理の兄ちゃんたちの品のなさが、ステレオタイプですが。

家族構成の複雑さ、兄弟との確執、十左の回想シーンが長くてちょっと中だるみかなと感じないでもないですが。。

それでも、ラストに向けてぐいぐいぴっぱられて、どうにでもしてって感じですよ。

すべての援助を拒否し、十左と一緒に死のうと決心するラストは、壮絶なのに静謐で、愛のあふれるシーンになっています。

椿の母親に仕えていた乳母の千代が、自分的には魅力的でした。

椿に食料を残すために海に身を沈めます。行く末は十左に託すことが出来たからと、自分の亡き女主人である椿の母親、香織の元にいくと。最後まで自分の主人は香織であると椿に遺言を残すのには、ちょっと感動しました・・

デビュー作で、ちょっと肩に力はいってますが、次回の作品がとても楽しみな作家さんです!

できたら、ここまで隔絶されて非日常的な作品ではなく、日常の風景をつづった現代ものも読んでみたいですね。

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