さ 沙野風結子(さのふゆこ)

「花陰の囚人たち」「千年の眠り花」沙野風結子

512uwo2bto8l__ss500_「花陰の囚人たち」

「千年の眠り花」 沙野風結子

<あらすじ>

花陰の囚人たち:警視庁組織犯罪対策部の刑事で中国語が堪能な亜南斎は尊敬する先輩・鷹羽征一に上海マフィアへの潜入捜査を依頼される。鷹羽の期待に応えたいと願う斎は、来日する幹部・耿零飛の通訳となり動向を探り始めるが、刑事であることを暴かれた斎と鷹羽は囚われの身に。二人は月下美人の花が開く夜毎、零飛の見ている前で淫らな行為を強要されて―!?書き下ろしを含む短編二話も収録。

千年の眠り花:上海経済を牽引するビジネスマンと黒社会を牛耳るマフィアの幹部という二つの顔を持つ耿零飛。出逢いから8年、零飛を愛し、その癒えない心の傷を知った義蒼は彼を護るためには手段を選ばない人間になっていた。日本企業との提携ビジネス拡大を目論む零飛は、敵対組織を潰すため警視庁の刑事・鷹羽と亜南、黒社会でしか生きられない少年・ウーを巻き込み危険な罠を仕掛けるが…。

<コメント>

花の堕ちる夜をはじめとする花シリーズ三部作、これにてたぶん完結??

耿零飛のはじめて流した涙に人間性回復か?という終わり方なので、もう少し展開しそうなんですが。。

花陰の囚人たちは、元々が古い作品なので、今の沙野作品好きには、ちょっとぬるいかもしれません。

敵に捕らわれている状況なのに、零飛によって無理矢理させられるとしても、密かに想っていた上司とコトがデキルのですから、心のなかでラッキーと想わないはずがない。(爆)

しかも、月下美人の咲く豪華なお部屋でですので、乙女心が浮き立ちます。ヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ

黒社会にしか住めない少年ウー(このネーミングどうにかなりませんかねぇ。。f^^;))からも想われ、斎を取り巻くのは、緊迫した状況なのに、なぜかうらやましい・・・(-ω-)/

ここまでは、昔出版されていたので、既読だったんです。

この後の展開を楽しみにして千年の眠り花を読んだら・・

斎また監禁されてるし。。(爆)

零飛・蒼視点だったので、零飛のご無体も、あんまりドキドキしなかったですね。

むしろ零飛のやり方に、ドキドキする蒼の意外と無垢なところが、いい年してって突っ込みをいれそうになりました。

斎と、ウーのエピソードも、零飛の底知れぬ変態性をあらわにしただけですが。

それでさえ、蒼は、結局許してるし。。

蒼が想うより零飛に愛されていると最後実感し、二人想いを通じ合いました、めでたし、めでたし・・って感じですね。

黒社会を背景に、エピソードも血なまぐさいんですが。。ベースは乙女チックですので、中国マフィアや、血が苦手な人も、大丈夫?たぶん・・(笑)

三部作の帯の応募券と、千年の眠り花の巻末応募用紙で、小冊子全プレが申し込めます。(700円振り込み別途必要)

6月30日締め切りですので、うっかり忘れているかたがあったらお急ぎください。

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「花の堕ちる夜」沙野風結子

Hana 「花の堕ちる夜」沙野風結子

<あらすじ>

上海マフィアに、唯一の肉親である妹を殺された青年・蒼は復讐を誓うが、返り討ちにされてしまう。負傷した蒼が逃げ込んだ車の中にいたのは、仇と敵対するマフィアの幹部・零飛だった。有能で表社会ではビジネスエリートとして有名な零飛は、身体を差し出せば、妹の仇を討たせてやると蒼にもちかける。冷酷で美しい零飛から逃れようとしながらも、惹きつけられていく蒼の答えは・・・。

<コメント>

2004年9月にアズノベルズから発刊された同タイトル「花の堕ちる夜」のリメイク盤です。単なる復刻版ではなく、新装版です。

本文にかなり手を加えたといわれたとおり、読みやすくなってます。

アズノベルズ盤は、読んだ記憶があるのですがやや薄っぺらい印象がありましたけど。。

この新装版は、当時のBLへの熱情をのこしつつ、テクニカルな文章で読者を沙野先生のハードな世界観にぐいぐい引き込んでいきます。

たった独りの肉親である妹を殺された蒼の凍えた心と、両親を殺され世界との離人感を感じている零飛が、だんだん近づきお互いを必要としだすまでの物語です。

以前のノベルズ盤より蒼と零飛の心の動きがわかりやすく、切ない仕上がりになっています。

でも、零飛ってどSな印象があったのですが。。ちょっと丸くなってます?(>▽<;;

同じ黒社会の人間なのに蒼が零飛を不憫に思うようになる生家でのエピソードがしっとり物語を盛り上げてくれて、ストーリーは同じでも深みがましている分この話を知っている方も、初めての方も、同じように楽しめる作品だとおもいます。

しかも花シリーズとして3ヶ月連続発刊がきまっています。加えて、全巻購入の方には小冊子応募者全員サービスという企画までご用意されています。

申し込もうと思っておられる沙野ファンの皆様、3巻目は5月発刊ですので、小冊子申し込みをわすれないよう、帯をなくさないようご注意ください!

なお同じくフロンティアワークスさんは、他の作品にも小冊子企画をご用意してあります。

富士山先生「純情」には限定版に小冊子をつけたり、扇ゆずは先生「DARLING2」の全サ小冊子、BLCD「純情」「勘弁してくれ」にも通販特典で小冊子がついてきます。

くわしくは、ダリアカフェのこちらをごらんください。

リブレの小冊子で奔走したばかりなのに。。出版社の思うままに躍らされる腐女子ですよね・・σ(^_^;)

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「上海散華・上海血華」沙野風結子

Sange

「上海散華」

「上海血華」沙野風結子

<あらすじ>

 ■上海散華・・・「帝都の華珠」と称される美貌の花登晶羽(はなとあきら)は、花登家跡継ぎ争いの渦中、異国の男によって上海へと攫われてしまった。 「おまえをどう処分してもいいと言われている。死にたくなければ俺に情けを乞え」  訳がわからないまま突きつけられた屈辱の選択肢。晶羽の命はこの男、上海秘密結社の炎爪(ヤンツァオ)に委ねられているらしい。生きるために炎爪に身を任せた晶羽はしかし、すぐにそれが間違いだったと思い知る。 意志に反して淫蕩の闇に堕とされる恐怖‥‥。それは死にも等しい、命の代償だった。 魔都・上海の地で、晶羽の矜持は折られ、散らされてゆく―― 

■上海血華・・・魔都・上海で覇権を争うふたつの秘密結社、天命幇(ティェンミンパン)と千翼幇(チェンイーパン)。 千翼幇の棟梁・英冥(インミン)に兄を殺された淋(リン)は、千翼幇と対立する天命幇に入って英冥への復讐を誓う。だが逆に、英冥に捕らえられてしまった。淫具を使った拷問によがり苦しむ淋は、憎む敵に快楽を覚えさせられ絶望を味わう。淋はともすれば惹き込まれそうになる英冥の魔性から逃れようと抗うが、ある夜、とうとう身体を繋がれて‥‥。 「己を弄ぶこの男を今すぐ殺してやりたい」 淋は胸に迫り上がる殺意を噛み締める――

<コメント>

2冊同時発売の作品です。

タイトルの“上海”と、小山田あみさんのいろっぽい緊縛イラストにふらふらと、衝動買いしましたが・・

これは、リンク本では、ありません。二冊で一つの物語でした。(≡д≡)

別々に読んでも、たぶんそれはそれで、成り立っているというところが、すごいです。

しかし、できましたら一気に二冊を読んで頂きたい。

はるは、裸絵につられて「血華」を先に数ページ読んでしまって。。(;^_^A アセアセ・・・

よいこは「散華」→「血華」で読みましょう。

おもしろさが半減してしまいますですよ。(笑)

散華は、華族の嫡子でありながら、父親に疎まれ孤独な日々をおくる晶羽が、はじめて自分だけを見つめてくれる炎爪に出会い、彼の生き様に感化され、前向きに生きいくことを知るという成長の物語です。

炎爪と引きはがされ、実家に幽閉されている間も、炎爪を恋しがってただ嘆き悲しむだけではなく、いつかここを出て行くと、自分なりにできることを模索するあたり、最初のわがままで、享楽的なおぼっちゃまがよくぞここまで成長したなと、嬉しく思いますが。。

「散華」は、「血華」のための布石でしかありません。炎爪と晶羽とが深く結びつけばつくほど、疎外感と孤独感を感じる淋。

炎爪への恋心を隠し、英冥を倒すためだけに生きる淋、しかし、英冥に、自分を殺した後は何を目標にして生きていくのかと尋ねられたときに、そこに何もない自分に気づきます。

英冥が自分へ向ける執着、そして一緒に生きることをすすめる英冥の言葉に、いつしか惹かれる炎爪。

気まぐれのように斬首から自分をすくった英冥に恩返しをすえるため、英冥を一人にしないと、英冥と生きていくことを選択する淋。

上海という、魔窟でありながら、異国情緒があふれる町を舞台に壮大なドラマを見たような感動を覚えました。

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「僕のねむりを醒ます人」沙野風結子

Boku

「僕のねむりを醒ます人」沙野風結子

<あらすじ>

刑事の雪弥は連続暴行事件現場で、ある男と再会する。それは11年前、雪弥の身体と精神を壊し姿をくらませていた、幼なじみの葛城耀だった。強気で意地悪だった以前と違い、まるで別人のように優しい耀だが…。

<コメント>

また土曜日に研修いきまして。。へろへろです。

司会進行があたっていたんですよ。自分が感じている以上にストレスになっていたのでしょうなあ。。

今日になって消化機能の衰えが。。ぽんぽんの調子が今ひとつです。

しかも、研修には公用車で行ったんです。仕事関係の人も同乗していたので、本屋に寄ることもできず・・。読む本がなくて、未読本を読んでいるところです。

ということで、古い作品をだしました。

すでに絶版になっていますが、沙野さんと奈良さんというコラボのため、ちまたでは高値になっています。

まあ、、持っているってことを、ちょっと自慢したかっただけで・・(。-∀-)ニヒ♪

しかし、表紙と、値段のわりに内容は、・・・です。(@Д@; 

沙野先生が甘さと、狂気との、バランスに迷っているようで、中途半端な味付けの作品となっています。

いや、もしかしたらこの甘ったるさを編集部が、ご所望だったのか・・

辛口にまとめてあったら、多重人格者による刑事の拉致監禁、レイプされて後、失踪した幼馴染みというなんとも美味しそうなモチーフが、もっと活かせれたのではないかと思うのです。。

所々で顔をだす協力者の人格が、なんだかいい人で、主人公でなくてもちょっとほろっときます。

沙野先生もほろりとしかかって、あやうく主人公と、多重人格2名との三角関係という難しい作品になりかけましたが・・

そのまま、協力者に恋したら、統合されていなくなる恋人という悲劇と、主人公に懸想する主たる人格の執着という、沙野作品のベースというか鬼畜なモチーフで面白そうだったのに。。

先生あきらめたようです。。悲劇的なモチーフは、発揮出来ないまま、終わってしまいました。残念。

主人公たら、拉致監禁されていたのに、最期そのまま仕事もやめて一緒に住むようになって。

エスの椎葉を見習えよ。そんなに簡単に刑事やめるなよ。仕事より恋を選ぶなんて、腰掛けOLじゃないんすから。(;´д`)トホホ

多重人格であったときに罪を犯した恋人を捕まえたくないから、刑事をやめるって。。

あんまり説得力ないねえ。。

逆に、恋人を守るために、同僚たちを欺きあえて刑事でありつづけるなんて終わり方のほうが、好きだなあ。。そんなハードボイルドな話、どこかにないっすか?

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「輝血様と巫女」沙野風結子

7andy_32084091_2「輝血様と巫女」沙野風結子

<あらすじ>

姉の許婚・逢重戎滋(おうえかいじ)への想いを断つために夕野水哉(ゆうのみずや)は故郷の島を捨て去った。だが、姉は島の巫女になり、戎滋との婚約を解消してしまう。数年後、水哉の下腹に鬼灯(ほおずき)型の痣が現れさらに姉の死が報される。痣は“巫女のおしるし”。島の豊穣大漁を祈る為、巫女は同じ痣を持つ“輝血様”と対になって神事を行わなければならない。新たな輝血様となったのは、なんと戎滋だった。しかも神事は、海神が憑依した輝血様を性的に悦ばせることをも含んでいて…!? 

<コメント>

あついですねえ。。皆様いかがお過ごしでしょうか・・(T_T)

私、仕事の忙しさと、暑さにばて気味です。29日を過ぎるとやや時間ができると思うのですが。。皆様も暑さを乗り切ってくださいませ

ということで、暑いときはエロレーベル(*ノ∀^)ノ゛))アヒャヒャ、

沙野先生の新刊です。初の花丸ブラック作品ということで!

沙野先生の中の花丸ブラックイメージはよほどエロレーベルなのか、好きなことしてますぜ。(ノω`)プププ

義兄弟、巫女の陵辱、真珠責め、憑依、陰部の悌毛、触手プレイに、女装プレイ・・沙野先生盛り込みすぎではないっすか?しかも伝奇小説なので、責めはシルバーグレイの髪で赤い瞳、孤島に伝わるひそかな神事は、エロイっす。(ノ´∀`*)

表紙は高階佑先生。主人公の巫女姿に、クラクラしながら買いました!色っぽいです巫女さん!

しかし、さすがの高階先生も、沙野先生の描く珊瑚触手責めには、苦慮された様子が・・(苦笑)

固い珊瑚がうにょうにょするのか?と疑問符を浮かべながら描かれたところを想像するのはP215のシーンです。

乳首あたりを珊瑚が・・くねらせると珊瑚らしくないし、珊瑚のままだと色気ないし・・

きっと頭を悩ませたんでしょう。こんな濡れ場なのに色気が・・と主人公ともども、高階先生も照れているようで・・どうにもこのページがぎこちない。(´゚艸゚)∴ブッ

海神に真珠を孕ませられるシーンは、なかなかよかったですねえ。男子の孕みシーン今後も増えていくかもしれません。

海神と巫女の愛の結晶の真珠が口からせり出しますが、どこから産ませるのか、これも悩んだ結果だろうと思います。

物が真珠だし、肛門から産出は絵的に美しくないということでしょうねぇ・・。。(*ノ∀^)ノ゛))アヒャヒャ

沙野先生は書きたい放題だったので、満足そうですけど。。(T_T)

沙野先生は、日常生活のなかの狂気を書かせたら抜群なのですけど、怪しげな背景を書くのに力をつくして、主人公の心理描写など細やかなところがどうも今回後手に回ったような気がします。

まあ花丸ブラックですので、そこまでページもないし編集部も要求していないのかなぁ。

いい作家さんにお願いしているだけに花丸ブラックがただの花丸エロレーベルに終わってしまうのは、もったいないような気がします。

でも、表紙の二人はいいですよ、朝日を背景に手を取り合って美しいです。

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「蝶宮殿の王子様」沙野風結子

61owsatf0l__ss500_ 「蝶宮殿の王子様」沙野風結子

<あらすじ>

淡い恋情を抱いていたベノール王国の第一王子ナイルスに、翻訳家として招かれた望。しかしその主な仕事は蝶宮殿に囚われた第四王子ムスタファの無聊を慰める事だった。初めこそどうにもならない鬱屈に荒れるムスタファだったが、次第に生来の屈託なさを見せるようになっていく。一方、ナイルスの施政者としての冷酷さに疑問と迷いを持ち始めていた望は、ある誤解からムスタファに媚薬を盛られ、劣情に疼く身体を荒々しく凌辱されてしまい。

<コメント>

沙野先生出版ラッシュです。

しかも、ヤクザ色と陵辱色(どんな色・・笑)のつよい沙野先生が、アラブで「王子様」ときました!(〃▽〃)ゝ”

どうされたんでしょう。。チャレンジ精神のたまものかもしれませんが。。

蝶宮殿に幽閉された第三王子と日本人青年とのお話です。

王子の監禁され幽閉されていた日々がアラブ色でなく、ちゃんと沙野色(一年半窓のない地下牢で幽閉、逃げ出さないように召使を見せしめに惨殺)していたところが作者もすきだなぁと思いましたが、、笑

まあそこは、はしょってあります。過去の話だし、直接主人公とかかわらないので。

先生のお好きな階段Hがあります!今回は螺旋階段ですよ。あぶないですよ。笑

今回の一番の見せ場!!

地下の監禁部屋(以前王子が幽閉されていた)で、勘違いから望も拘束され、ムスタファに陵辱されるシーンがあるのですが。。

緊張感あふれるシーンです。両手を天井からの鎖で拘束され、膝が持ち上げられあわやというシーンで、沙野先生“「ん」の形に拘束して”はいかがなものか・・

顔文字じゃないんだから。。たしかに「ん」の文字はいやらしいのはわかりました。でも、シリアスなシーンで・・

(´゚艸゚)∴ブッ

私吹き出してしまいました。

先生もある日「ん」がちょっと卑猥と気付かれたのでしょうか。

きっとどこかで使いたいと心ひそかにタイミングを図っていたのでしょうね。(*ノ∀^)ノ゛))

実は「赫蜥蜴の閨 」でも、高柳の秘書に臣の身元を調べさせているときに、臣に二つ名があって、「赤が二つの赫蜥蜴です」と説明しているシーンがあるのですが。。二つ名に漢字の説明はいらんだろうと突っ込みましたよ。

絶対沙野先生、ギャグセンスありです。(ノω`)プププ

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「赫蜥蜴の閨」沙野風結子

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<あらすじ>

高柳商事大阪支社長の高柳光己は、英国人の血が混じる端麗な容姿で、誰もがうらやむ人生を歩んでいる。しかし、会社のために自分を利用する社長の養父や、わがままな妻に振り回され光己は鬱屈した日々を重ねていた。ある日、光己は妻の浮気をネタに熾津組の若頭・熾津臣に強請られ、陵辱されてしまう。執拗に繰りかえされる行為に光己は理性を徐々に蝕まれていく。だが、次第に奇妙な開放感と安らぎを感じるようになり…。

<コメント>

蛇シリーズ最終巻です。主カプの攻めヤクザ角能はへたれの汚名をそそぐことなく、このシリーズは終わってしまうわけです。

角能ファンのみなさまご愁傷様。。笑

「蛇恋の禊」で、凪斗をまんまと罠にはめ、薬漬けにした大阪ヤクザ熾津臣が今回ご活躍です。

しかも、まだ岐柳組(一発変換できないような字をつかわないでほしい沙野先生。。。(T_T))との抗争中なので、凪斗や角能も絡んでくれるし、「蜘蛛の褥」の久隅や、八十島や折原などサブキャラもでるので、最終話にふさわしい豪華出演人で話がすすみます。

とはいえ、まったく単独で楽しめる内容です。

熾津臣の壊れっぷりがどこからくるのか、執着しているようで一番執着していない男が唯一執着している「こうちゃん」とは、誰なのか。

「こうちゃん」に似ているというだけで、おもちゃのように翻弄される高柳。

しかし、高柳にも鬱屈した想いが心によどんでいて、何もかも忘れさせてくれる熾津臣の存在が、徐々に大きくなっていきます。

檻から出ようとあがくことさえ放棄していた高柳が、熾津臣の自由さに憧れ、彼の破滅感に気付き、支えてやりたいと思うようになる心の動きが、組み同士の抗争や、陵辱の合間に細やかに描かれています。

豪華なキャストで、緻密なストーリーで、120%楽しめる作品になっています。

奈良先生の描く、臣の背中の見事なトカゲの彫り物も、見ものです!!

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「蛇恋の禊」沙野風結子

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<あらすじ>

平凡な大学生ながら不可抗力によって岐柳組次期組長に据えられた円城凪斗。常に傍に控えている、恋人で補佐でもある角能堯秋に支えられ、戸惑いながらもその重圧に耐えていた。だが、代目襲名を控えたある日、敵対組織に襲撃された凪斗を庇い角能が負傷してしまう。いつか、自分の為に命を落としてしまうと恐れた凪斗は次第に角能と距離を取るようになる。心身共に結びついていた二人の亀裂は広がるまま、岐柳組は抗争に巻き込まれていき―。

<コメント>

2006年7月にラピス文庫より発刊された「蛇淫の血」の続編ですが・・

続編を違うレーベルでだせるこの柔軟さ!BLならではですね。

「蛇恋の禊」を読むにあたって、「蛇淫の血」「蜘蛛の褥」を読み返し、予習復習してから望みました。おーこの熱心さ!仕事にいかせてねえ。。(^_^; アハハ…

「蛇恋の禊」出だしから、入れ墨をいれるシーンで色っぽかったです。角能(かどの)をつなぎ止めるためにいれる角能のための刺青、けなげです。

少し化けかけた凪斗(なぎと)ですが、変身後の凪斗をあまりにみんなが望むので、心細くなってます。

しかも、甘やかしすぎるなと角能は組長に釘をさされているため、凪斗に冷たいです。

その当たりの揺れる心理状態が今回非常に丁寧に描かれています。角能を助けたいけど、自分のことも認めて欲しいと揺れ続けています。

前作の最期に角能への想いの全てを描きこんだ絵「初恋」が、今回もキーアイテムになっていて、絵にすがりついたり、角能自身の凪斗への想いの象徴だったり、大活躍していいアクセントになっています。

奈良さんの描くイラストも色っぽいし、文庫の続編を新書で読めるなんて、なんとも贅沢な一冊でした。

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「蜘蛛の褥」沙野風結子

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「蜘蛛の褥」沙野風結子

<あらすじ>

秋霜烈日のバッジに恥じないと評される検事の神谷は、同性の同僚へ恋慕している。それを高校の後輩でヤクザの久隅に知られてしまった。久隅は背中を刻む刺青をさらして「このモンモン見せたあとに抱くと、どいつも締まりがヨくなるんだ」と神谷の体を要求する。黒い嗜虐の笑み…神谷を這い蹲らせるような陵辱…。だが、久隅を畏怖する反面、滅茶苦茶に壊されたがっている自分がいる。神谷は搦めとられて藻掻くことしかできない―

<コメント>

「獣の妻乞い」が意外とあっさりめだったので、壊れた主人公見たさに、奈良さん表紙のこの作品を再読。

えっ・・筋に覚えがない。。読んだという記憶があり、そこそこ面白かったような覚えがあるけど・・リンク作品の同じく奈良さん表紙「蛇淫の血」も、記憶が乏しいのです。(T_T)

今回読み返してみて、面白いじゃないですか。主人公の検事のこわれっぷりが。。(笑)

高校の弓道部の先輩後輩だった二人が、再び検事とヤクザの幹部として再会。

同僚に肉欲を感じていて、そんな自分を罰するように、自分を久隅に差し出す検事神谷は壊れてます。

そんなに同僚が好きなら、ストレートに同僚に告白したらイイじゃんと思うはるですが。

それをさせない、沙野さんすごいです。

好きだと告白することで同僚事務官を、汚してしまうと思いこんでいる神谷は、決して告白しません。

まあ、この事務官もずるい奴で、そんな神谷の気持ちを知っているのに、時々コナをかけては、男同士の関係に踏み込む勇気のない奴ですから、久隅に神谷をとられても、文句をいってはいけません・・。(#゚Д゚) プンスコ!

ヤクザ久隅の攻め視点、神谷の受け視点が、話を面白くしています。

どちらもが、譲れない信念があり、それが徐々に妥協してお互いを求め合うようになるその心の動きがとても丁寧にかかれているんです。

ヤクザになった、久隅の決心、それを捨ててもいいほどの神谷への執着。

そして、同僚の事務官にどうしてそこまで心引かれたのかあかされて、真実を追い求める検事の道に進んだ理由が、すとんとパズルをはめるようにかちりとはまり、神谷の人間性に納得がいきますよ。

エロイだけでなく、人間交差点的な作品に仕上がっています。

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「獣の妻乞い」沙野風結子

515osrqtlvl__ss500_ 「獣の妻乞い」沙野風結子

<あらすじ>

通り魔に襲われた高校生の由原尚季は、狩野飛月(かのうひづき)という男に助けられる。強引な手口により、飛月と一緒に暮らすことになった尚季は、凶暴そうな見た目に反し、無邪気で優しい男に急速に惹かれていく。だが、仕事に行くたび尋常さを失う飛月に、尚季は昼夜を問わず、荒々しく抱かれるようになる。次第に獣じみていく飛月の異変に不安を覚える尚季は、彼が凶悪犯罪者を抹殺するため、秘密裏に造られた「猟獣」だと知り―。

<コメント>

リンクスと沙野さんの初コラボです。

あの既成概念に囚われない“はじけエロ”リンクスと“狂気を孕んだ恋愛好き”沙野さんですから、もう期待はチョモランマぐらい高かったのですが・・

たしかに、あちこちの編集部で断られたという「獣姦」をあつかった英断は、認めましょう、リンクス編集部、あんたはエライ・・しかし、しかし・・沙野さんですよ。

あの変質的で、狂信的で、妄執を抱く登場人物を描かせたら、天下一品の沙野さんなのに・・

獣姦ネタを出してもらえるという条件の前に、ひれ伏したのでしょうか。

今回、ハートフルウォーミングなほのぼの話になっています。。。(ーー;)

いや、それが悪いってわけじゃ・・愛は大切です。とってもとっても・・

でも、チョモランマほどの私の期待は・・

帯のあおり文句「俺とセックス--交尾、したい?」は、どうなった?!

広告に嘘はなかったですよ。してますよ・・交尾。(T_T)

でも、荒々しく獣と・・ではないので、強姦、獣姦に抵抗のあるなっきーさんでも大丈夫。

愛は、種族さえこえるというなんとも美女と野獣(いやディズニーは獣姦はしてないですけど、笑)っぽい獣姦でした。

人間に戻れなくなった飛月を、自分の手で殺そうと決心する尚季、そしてそれを望む飛月が切ないですね・・

でも大丈夫。そのまま死にネタではおわりません!。ご安心ください!

(大丈夫、大丈夫といいながら、時々はるは、突き落としますが、これは本当に大丈夫・・∠(^。^))

だってハートフルウォーミングなんですから((▼⊿▼) ケッ!)

ハッピーエンドに終わったのに、なぜか物足りないはるであった・・ヽ(`△´)/

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「秘恋は咎に濡れ」沙野風結子

51eas1ouixl__ss500__2  「秘恋は咎に濡れ」沙野風結子

<あらすじ>

椋一(りょういち)が政策秘書を務める与党議員・藤末彰良(あきら)。椋一にとって従兄の彰良は絶対で、過去には性の道具にもなった。その彰良が、闇献金リストをネタにある法案に賛同するよう持ちかけられる。脅迫者は四堂匡鷹(まさたか)。元新聞記者の野党議員で彰良の政敵だ。椋一は「元恋人は男」という四堂の弱点を探り当て交渉に赴くが…。「俺に逆らえるのか?お前の大事な先生の弱みを握っている男だぞ」彰良に貞節を誓った場所に四堂の楔を刻み込まれて―。

<コメント>

さすがフランス書院というだけはある過激な作品でした。。笑

表紙のえろっぽさどおり、期待をうらぎらなかったです。

エロさも、切なさも、てんこ盛り!「秘恋」とか、「咎」とか、「濡れる」ですでにあやしい雰囲気。(´ヘ`;)

しかし、今回一番狂気に走っている人藤末彰良(ふじすえあきら)議員ですが、あんまり出番なかったですねぇ・・

沙野作品は、こういう狂気を孕んだお人が活躍すると、断然変態色がグレードアップして面白いのですが。(なにに期待している・・(^・^)

くるおしく君を想うのような、狂気に駆られているのかと思うほどの執着や天獄の雨のような痛Hもなく、沙野さん作品にしてはおとなしめ(本当か?笑)のような気がしたのは、私だけ?でも、ヤクザにさされたのは、よかったですねえ。。沙野さんは、寸止めでなくちゃんと刺してくれるからうれしい・・(笑)

歯茎フェラも、変態ちっくでよかったです。文句いいながら、満足してるじゃん、自分^^;

彰良を敬愛し、再び彰良に抱いてもらえる日を夢見る議員秘書椋一、しかし顔だけのお人形という立ち位置であまり仕事をさせてもらえません。

彰良の役に立ちたいと一生懸命で、それが匡鷹(まさたか)の目にとまります。

匡鷹(まさたか)はいたってノーマル。やっていることはちょっとアブノーマル入っていますが、それはまあ沙野作品ですから・・、みんなHはアブノーマル。(笑)

でも精神はいたって健全です。彰良の呪縛から椋一を解き放とうと、椋一を脅すような言葉を吐きながら、実は椋一を庇護します。

そんな愛され方をしたことのない椋一は、いつしか匡鷹を頼るようになり、彰良からされている仕打ちを現実のこととして受け止めるようになります。

この作品中一番ねじれているのは、彰良ですね。椋一にはまってしまったら身を持ち崩すとわかっているから遠ざけようとしながら、だけど椋一の気持ちは以前自分に向いていて欲しいというなんとも暴君です。だから、自分から離れていく椋一を許せなかったのでしょうが・・

寂しい男だ・・彰良。

登場場面も少なめで、いつも何を考えているのかわからない表情のない男だと作者からもかかれて・・野党議員に議員秘書をかっさらわれるし。。

やっぱりそれでも椋一をあきらめきれないという彰良目線の拉致監禁の続編で、リベンジしてほしいものです。沙野さんはいつも受け視点だから、むりかなあ。。(笑)

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「天獄の雨」沙野風結子

Photo_2  「天獄の雨」沙野風結子

<あらすじ>

Dead or alive--生きるか、死ぬか。その頭文字をとって「ドア」と呼ぶ、爆発的に東京都心部を汚染したドラッグ。麻薬取締官の矢碕忍は、「ドア」の囮調査でクラブへ侵入する。そこで暴力団・壬組の現組長・壬豪馬の従弟にあたり、企業舎弟として壬組を支える加駕榮旗と出会う。忍は製造・販売ルートをつかもうと加駕に近づくが、逆にデッドオアアライブを使われ激しく凌辱される。天国と地獄の扉の先にあるものとは--。

<コメント>

このところ、新旧取り混ぜて読んでいます。

沙野さんの作品は、どれも主人公が精神的に不安定で今にも自分から破滅に突っ走っていきそうな危うさがいいんですよね。

昔の作品より、最近の作品にそういう傾向が強いようですが。。みんなついて行こうよ!^^;、

「くるおしく君を想う」あたりの狂気が好きな人は、この作品も好きだと思います。

この作品の主人公忍(しのぶ)も、父親から嫌悪されている(と思い込んでいる)ので、生きていくことに執着がないです。

いつ死んでもいいと思っているのでむちゃくちゃな捜査をする麻薬取締官です。自棄になっての捜査だからこれまた結果的に手柄を立ててしまい、同僚の間からも浮いています。

そんな時、新しい麻薬の捜査のため警視庁の対策本部に出向することになりますが、そこでも刑事達から身元が割れるのをおそれて単独でうごきます。

潜入捜査!精神的に不安にさせる新型麻薬!ヤクザときたら、身元がばれて、薬物をつかわれ拉致監禁しかないでしょう・・笑。

想像通りの展開にほくほくしていた私に、思いがけないプレゼントが。

「触手萌え」の親戚のような「糸萌え」です。触手より美しい。糸萌え (b^ー゚)!!(゚∇^d)~~ ベリーベリーグッドねぇ

薬物で精神的におかしくなっているところ、忍の身体を雨のように針がついた糸がおちて縫い止めるとか、幻の糸が身体をはい回るとか、精神的に弱っている忍を、銀色の糸のイメージが、いじめます。

触手というとなんとも青年向けエロコミックぽくていただけませんが、銀の糸となると・・いいです。OKです。

糸か・・いいですね。はやらせてもらおう。。ピント張っていたら軽く痛いし、でも束になってくると結構太くなるし。。笑。用途はいろいろありそうだ!ヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ

他にもウィスキーの中に射精させたり、肛門に拳銃つきさしたりとなかなかチャレンジャーです。いいよ沙野さん、その勢いでいっとくれ!笑

ただ作品の中ででてくる父親との確執や、実の父親が犯罪者だということ、薬物の見せるバッドトリップやら、ヤクザとの恋愛^^;など、ちょっと盛り込みすぎだったような感じです。これが文庫3冊ぐらいになっていたら。。きっと最後、拉致監禁されていたところから、銃で打たれながらも助け出すヤクザの加駕のかっこよさが浮き彫りになったんでしょうが・・残念。加駕の活躍の場はすくなく、忍とのHシーンしか記憶にないです。

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「融愛」沙野風結子

Photo_152 「融愛」沙野風結子

<あらすじ>

「あんたを守ってきたのは、俺だ。これからは『男』も俺が与えてやる」
嫉妬に狂った弟は、今まで抑えてきた感情を露にした。母に捨てられた兄弟は不定期に振り込まれる金を頼りに生きてきたが、それは弟・翼久が売春して稼いだ金だった。それを母からだと思い込んで育った兄・海理は堅気の社会人の道を、翼久はホストの道を歩んだ。兄への想いを密かに募らせる翼久は、ある日、海理が男に押し倒されているのを見て逆上する。翼久の怒りは昏く激しい劣情と化して。

<コメント>

急に昨夕、珍しく一家そろってるから外で焼き肉としようと旦那が言いだし、あわてて肉を買いに行くわ、夕食の予定をかえるは・・雨は降りそうなのに、強行に決行するはで、肉が胃にもたれているはるです。こんちわ・・

なんのこっちゃといいますと・・いや、それくらい雄飛が倒産のときに、沙野さんもあわてただろうなという・・f^^;)

沙野さんの初SHYノベルズですか?兄弟の禁忌や、どろどろした情念とか、とってもSYHノベルズ色の作家さんだから、初めてのような気がしません。

雄飛が倒産して、原稿を引き継いだのが大洋図書さんでした。

兄弟の禁忌ものといえば、SHYノベルズには松田美優さん「赤い呪縛」という偉大な前任者があるので、全然大丈夫ですよ、沙野さん。(笑)安心してください。(だって、後書きで父も母も同じ一緒に育った生粋の兄弟物だとこだわってましたから・・)

前作「くるおしく君を想う」で変態ぷりを発揮された沙野さんですが・・わたし、好きです。

その偏愛と、変態っぷりが。(笑)

そして、今回もたっぷり偏愛ぶりを発揮しています。

母親の育児放棄により、吐くほど女性が苦手なのに、兄との生活を支える為にホストになり、睡眠薬を飲みながら、兄の前で図太い神経を演じ続けている弟の兄への執着、偏愛ぶりは、さすがの沙野さんです。

大型猫弟攻めです。お兄ちゃんがしがし引っかかれます。弟との関係を許すことが出来ない兄ちゃんは、苦しみます・・でも、自分の人生をなげうって自分を守ろうとする弟にほだされちゃいます。弟の偏愛勝ち!

痛いのが苦手な方はちょっと苦手かも・・痛いH推進委員会としては、お勧めです。笑

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「人肌の秘めごと」沙野 風結子

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「人肌の秘めごと」沙野 風結子

<あらすじ>

女性人気の高い元戦場カメラマン・塔野匡毅の風景写真集を刊行するため、経営難に喘ぐ橘出版副社長・和叉は彼に会う。が、住み込みでモデルをしろと条件を出された。馬乗りになられた状態で迫られ、逃れたい一心で承諾するものの、和叉は過去にレイプされて以来、写真と他人の体温を嫌悪しているのだ。撮影時、塔野は頑なに理性を保とうとする和叉に淫らな表情を要求する。カメラの放つ閃光は暴力的に和叉の心を浸蝕してきて----。

<コメント>

沙野さん、「くるおしく君を想う」で壊れかけの人物描写に鬼気迫るものを感じたのですが、これにも追いつめられ壊れかけている人々のちょっと危ない日常が、エロく描かれています・・

SMか?ってほど、濡れ場がSMチックにエスカレートしていきます。言葉責めや、おもちゃ責め・・雨の中の放置プレイ・・そこまでする必要があるのかって、攻めの愛情を疑ってしまいますね。

まあはるは、好きですが。(笑)

しかし、最初から別れまでの自分を映した写真をみてだんだん表情豊かになっていき、最期はいい笑顔を浮かべている自分の写真を見て、あらためて和叉は塔野への想いに気付くのです。

まあ好きだから何をされても許している和叉については、それでいいとして・・

そういうプレイで和叉を追いつめる塔野がわからんです。きりきりと張りつめた表情の和叉の表情に戦場にいるような緊迫感を感じて、生きている実感をやっとつかめた塔野、和叉にとっては良い迷惑でしょう・・まあ惚れてるからいいんですが。

壊れた人物は往々にして危なく恐い人物になりがちですが、それを壊れてエロい人物にしてしまうところが、沙野マジックです。関係性はとてもどろどろしてるのに、泥臭さがないのは、登場人物たちが自分たちの壊れ具合を見つめそれさえも飲み込み、最期にはそういう自分と折り合いをつけて許し、浄化しちゃうからかもしれません。

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「くるおしく、きみを想う」沙野風結子

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「くるおしく、きみを想う」沙野風結子

<あらすじ>

憧れたあの人は自分を憎んでいた―“殺したい”と想うほどに。13年前、彼に殺されかけた記憶と焦がれる想いを封じ、航希は弁護士としての道を歩み始めた。そんなとき、航希の元に兄が借金を残し失踪したとの知らせが入る。しかも、兄を崇拝し弟の航希を憎悪するあの男、莉一が現れ…。突然の再会に動揺する航希に、莉一は借金を背負う代償として兄の代わりとなるよう要求してきて―。

<コメント>

攻め受けどちらも怖いキャラです。ってそんなことを書いたら、引いちゃいますね。

わたし好みの作品でした。攻めも受けも想いは通じなくて。通じない具合が容赦なくて胸にきりきりきますね。

ストーカーかってほど、昔から莉一のことが好きなのに、兄にしか好意を持っていない莉一。眠っている兄にキスしているのを見咎め、自分にしてくれないとばらすぞと莉一を脅すあたり、航希も怖いです。

まあこの辺からすでにこじれています。航希という自分を見てほしくて、ただひたすら想い続けている姿は、いじらしいのか、いじましいのか・・笑

自分の性癖を両親にばらされると思いつめ、航希を殺そうとした莉一。そんな人間だとわかってしまっても、それでも莉一への想いを断ち切れない航希も、存外しつこい奴です。

兄が帰ってくるまでの間、身代わりでもいいからとすがりつく航希、

兄が登場して、別れを告げられる航希のつらさに、ついついストーカーかよと、最初はさめた目で航希を見ていたはずなのについ、感情移入しちまいました。笑

はいはい、あんたの粘りがちです。莉一もとうとう、ほだされちゃいました。

莉一あんたもどっちでもよかったんじゃないですかぁ?航希もかなり可愛い系だし。そんな可愛い系にひたすら愛されていたら、さびしい莉一先生もほだされるでしょう。

おまけでついているイラストカード!これがいいです。表には綺麗なイラスト、裏には莉一サイドのショートショート。「あらしのよる」の真実が・・

これは是非本編を読んでから、カードの裏を読んでくださいね。

そうそうページの都合と、話の勢いから「階段をあがりながらH」についてあまり触れられなかったと作者も残念がっていましたねえ。階段をありながら・・なんともアクロバティック様相です。

階段でのHは危険なので、止まってしましょうね・・笑

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