「コンクリート・ガーデン」寿たらこ
<あらすじ>
高校を卒業したばかりの清春の仕事は、ある重要人物の「お友達」。その役職は「彼」が清春を指名した物だった。しかも、彼はクローン技術で生まれた国家の最重要機密で、「人喰い種」だった・・
<コメント>
あーコミックにはまっています。しかも、どちらかというとすっごい毛色の変わった物に・・痛いH推進委員会会長としましては、順当なところかと思いますが・・笑
こんちわ、はるです。「寿たらこ」という、人をおちょくったPNですっかり侮っていました。「セックスピストルズ」という斑目族の話も知っていたのですが、なんだか変わった人だよねってだけで、あまり印象がなかったんです。
しかし、いいです!すごく、、ストーリーも絵も緻密、はる好みです。
この作品は、ネタばれですが、人工的につくられた天使のお話です。しかも、人間にまったく友好的な感情はなく、人間のことを「食用」としか思っていない天使なのに、なぜに「清春」はお友達として選ばれたか。
生物兵器として、天使の力を使おうと生まれたときから拘束され幽閉された天使の静かな怒り、人間への嫌悪感は、哀しいほどです。
最初、価値観の違いからどうしても分かり合えないと天使に恐怖を感じていた清春も、彼と話をしていくうちに、垣根がひくくなっていきます。
人間たちが肉や魚を食べることと、天使が人間を食べることとどう違うのかと問い詰められ、返答できない清春。
人のための倫理、人のためのルールに縛られて、生物兵器として人間にいいように使われる天使。しかも、天使が食べることを承知で差し出される人間は、同じ研究員で。どちらが残酷かというと、人を食べる天使ではなく、人間でしょうって話です。
「人喰い」は生きていく為に必要であるが、戦争で同胞を殺しあうのは醜い欲望でしかないと天使は人間を嫌っています。
そんな天使に同情しはじめる清春。「どうして彼を縛り、人間のために拘束去れ続けなければいけないか」と思うようになると、自分を「天使と人間との架け橋」などという陳腐な呼び名で呼ぶ政府に嫌気がさすようになります。
ええっーそうだったのかという美しいラストは、人間としての疎外感を感じる終わりです。
短編ですが、とてもいい作品だと思います。是非、古書店で探してみてください。
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