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つ 月村 奎(つきむらけい)

「エッグスタンド」月村 奎

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<あらすじ>

他人に干渉するのも他人から干渉されるのも苦手な歯科医の宏一は、マンションの隣の部屋に一人で住むお気楽高校生の透に、最近何やかやと振り回されている。しかし、能天気に見える透の悩みに触れ、世話を焼いたりしているうちに、宏一は心の奥底に沈めていたある記憶を揺り動かされ…。不可思議な感情の芽生えを描く表題作を含む三篇に、書き下ろし「チョコレート日和」を加えた月村奎の人気作、待望の文庫化。

<コメント>

お盆休みが近いので、帰省先に移動中の方や、旅行中の方も多いかとおもいます。

携帯でも「履き忘れ」見られますので、よろしく!(何を今さら宣伝して。。(ノω`)プププ)

しかし、きっと皆さん忙しいのでしょうね。だって、ふふふ。。

昨夜の終了の谷崎泉先生の同人誌、、誰も競い合う方が無くて、出品価格で落札してしまった。ホクホク。。

忙しいこの時期、入札者にはおいしい状況かもしれません!O(≧▽≦)O ワーイ♪

さて、月村 奎先生の名作エッグスタンドを読み返していました。

高校生の主人公透と、お隣の歯科医師宏一のお話ですが・・

ありふれた年の差カップルというのではなく、それぞれに抱える問題がありながら、それぞれに自分なりに頑張っていて、お互いが必要だと気付き、自然と寄り添うというお話です。劇的な出会いやドラマチックなイベントが何もないのに、深く心にしみこんでくるのは、月村先生の筆力ですよね。

次男坊で、家族からもかわいがられている透、家族の都合で一人暮らししていますが、軽薄な印象とうらはらに、ゲイであるという罪悪感を感じています。

家族から惜しみない愛情を注がれて育ったのに、自分はゲイなので、恩返しすることができないと思っていて、家族に心を開けない罪悪感と、孤独感を抱えています。

人付き合いが好きなのに、一生誰にもわかってもらえずこのまま孤独に過ごさなくてはいけないだろうかという不安。。ゲイだけでないですけど、セクシャルマイノリティのみなさまは、自分を理解してくれる人と出会うことが難しいからこそ、当事者のみなさん抱える感情なのかもしれないですね

そして、歯科医の宏一は、父親の不倫と失踪の過去から、家族を作ることに不安を抱えています。家族のもろさをしっているだけに、そこに価値を見出せずずっと孤独に過ごしてきました。

家族の暖かい思い出などないと思っていた宏一ですが、透から暖かい家庭の空気を感じ取って、昔幸せだったころを思い出します。

暖かい家庭の思い出と、透と重ね、透のことを面倒とおもっていない自分に気付きます。

やはり人は、孤独では生きていけないんですね。

誰かの世話をして、誰かに世話されて。関わりあってこその人生です。

確かに、自分で自分をだきしめても、自分で頭をさすっても気持ちよくもなんともない。誰かに頭をいいこしてもらって、抱きしめてもらっての幸福感ですよね。

小説のテーマを、くどくど説明するのでなく、月村先生は、日常の出来事でそれを表現していきます。小さなモチーフがつながって、テーマにたどり着くところは、見事です。

読後は、誰かとハグしたくなりますよ!(見知らぬ他人にハグするのは、犯罪ですから、ご注意ください。。笑)

「レジーデージー」月村 奎

Photo 「レジーデージー」月村 奎

<あらすじ>

人気のミステリ作家ユニット「ワンプラスワン」の片割れである大須賀一夜は、訳あって田舎町の一軒家に引っ越してきた。そこへひょっこり訪ねてきた隣人は、これまた若者に大人気の俳優・川嶋大志だった!何かと派手好きな相棒・君島に比べるとルックスも性格も地味な一夜だが、何故か大志に慕われて…センシティブ・ラブ・ストーリー書き下ろし。

<コメント>

暑い日には、すがすがしい月村作品だと、本棚から引っ張り出しました。

月村作品には、珍しく大人カプです。しかも、人気作家と、人気俳優という華やかなキャラ!

おおー珍しいとページを開きましたが。。

サイン会もないし、編集部にせっつかれているシーンも。。ファンに追いかけられる所もないし。。(-"-;A ...

田舎の一軒家で、友人や編集さんへの人間不信を募らせながら執筆にも行き詰まっているぐるぐるの主人公・・

いつもと、あまりかわりませんでした。f^^;)

日常生活を淡々と追いかけながら、細やかな心理描写が売りですから、華やかな人気作家や、俳優が出てこようが、そのあたりいつもの月村先生でした!

いえいえ、読者はこっちが読みたいんです。

華やかな俳優や作家の生活が読みたいのなら、セレブ作家の岩本薫先生を選んでるでしょう!(≧▽≦)・・(あっちはあっちで、急に読んでみたくなるんですけど。。笑)

本音と建前が違いすぎる友人や編集との人間関係に疲れきって、衝動的に田舎に引っ越してしまった一夜

引っ越しの最中ファンだったと、俳優の川嶋にサインを求められ・・いつの間にか川嶋のペースにまきこまれて、町内行事には参加するわ、近所の方々とお友達にさせられるわ・・振り回されるような毎日のなか、川嶋には本音をさらすことができて本当の自分を出せるようになり・・

川嶋に信頼されることで、肩肘はって力がほどけ、自分の書きたかったものが見えて今までこだわっていた諸々のことに対して、寛容になれます。愛ってすばらしい!

しかし、作家がいつも家にいるのはまだ納得できるけど、人気俳優がこんなに時間にゆとりのある日々で大丈夫でしょうか・・(ーー;)

「Spring has come!」月村 奎

30782053 「Spring has come!」月村 奎

<あらすじ>

高三にして一家の家事全般を請け負っている大輔は、家族のことを考えると東京へは行けないと地元の大学の推薦をもらったものの、もっと別の人生を選べたはずなのにという鬱屈を溜めていた。ところが駅前の商店街で小さな惣菜屋を営む耕平と出会ったことから…!?表題作のほか、耕平の店でバイトを始めた大輔のその後を描いた書き下ろし「春の嵐」を収録。曇りのち晴れ、恋の季節のTeenage Precious Story。

<コメント>

この季節にぴったりの文庫本でした。すがすがしくて、読後ほっこりです。

主人公大輔は、離婚した母親の替わりに家事全般を切りもりしているけど、それは仕方ないからで、いつも不満を腹にためています。

勉強もそこそこできるのに、家庭の事情で地元大学にいかなくてはいけないとそれも不満に思っているのに、それも腹にため込んで。

イライラする大輔に手をさしのべようとする周囲の人間も、邪魔だとしか感じることができず・・

そんな時に出会った総菜屋の店主。軽いノリで、おばちゃん達をさばいているけど、その料理には一手間も二手間もかかった愛情のあるもの。

大輔は、自分に置き換えてみてそんな風に家族に愛情をもって接していなかったことに気付きます。

がんばっているねと認めてくれる店主の存在がだんだん大きくなっていく。

素直になれない大輔でも、大事にしてくれる店主との関係は、暖かく読んでいる方もほっとさせられます。

この作品にでてくる日常の些細なことは、そのまま読者そのままの生活ですよ。

あるある、こういう事って・・( ´o`)フウッ

でも本当に気持ちの持ち方なんですよね。同じ事象が起きても、それをどう感じるかという気持ちの問題なんですよ。

大輔は明るくなることで、家族との関係もよくなり、読後もとてもほっこりさせてくれます。

しかも、お総菜屋さんが舞台なので、料理のワンポイントがさりげなく披露され、早速今夜の夕ご飯にもいかせて、大助かり。

一粒で二度おいしいBL小説でした!!

「秋霖高校第二寮」月村 奎

Photo_28 「秋霖高校第二寮」月村 奎

<あらすじ>

奥村聡にとって初めての寮生活はピカピカの希望に満ちていた。が、連れて行かれたのはボロボロの一軒家、先住者は双子の美人姉弟、ヤクザな教師、そしてカリスマ美形高校生作家波多野。入寮早々、乱暴粗暴横暴の三拍子揃った波多野に使い走りにされ、言いたい放題に言われて、聡は腹が立ったり落ち込んだりするものの、なんだか彼が気になって仕方なくて…!?

<コメント>

月村さんてこういうコミカルな作品も書くんですね。登場人物の背景はいつもどおり重いですが。笑

秋霖高校第一寮の部屋割りであぶれて仕方無しに入った第二寮。しかし、生徒が三人しかいないって時点で、そこそこ問題がある生徒が集まってるのかなとおもいますが・・もう少しからみの生徒数を増やして、ばんからな寮生活っぽさ出してもいいかなとおもいました。

でも、普通の高校生がみんなの食事までまかなえる人数として5人が限界だったかも。石田先生、藤井シスターズ、波多野、聡。これ以上人数を増やすと、キャラが料理上手の高校生になって、普通ぽさがきえちまいますね。

カリスマ美形高校生作家波多野がいいですね。陰のある口の悪い男。でも、その口の悪さは、聡に対してだけと気がつくと、そういう口の悪さも可愛くなってくるから不思議です。

普通の高校生が、普通の中の自分らしさを見つけて自立していく青春小説です。

3巻で終わるのが、寂しいですね。まだまだ、聡や波多野の成長を見てみたいとおもいます。石田先生と、藤井弟との絡みも、藤井姉と聡兄とのこれからも・・気になります。

ただ、最後までHしてません。こういう生殺し状態でおわるかなあ。もう一巻増やして最後までしてほしかった・・笑

「そして恋がはじまる」月村 奎

Tukimura

「そして恋がはじまる」月村 奎

<あらすじ>

高校生の未樹は、相手の顔色を窺ってイイ子を演じる自分がキライ。そんな未樹は偶然、司法書士の浅海と出会う。未樹の密かな悩みを「人を傷つけない優しさ」と肯定した浅海。彼がゲイだとわかっても、大人で穏和な彼の側は誰といるより安心できて。彼の事務所に通うたび未樹は無防備に甘えてしまう。ところがある日、突然浅海に「ここには来ないで下さい」と言われてしまい。

<コメント>

いまさらって言われそうですね。すみません。月村作品をあまり読んでいないので、直感で読んだこれがよかったので、アップしてしまいました。(もっと別の作品の方がおすすめですっておっしゃるかたもいるでしょうね・・^^;)

でも、なんて一途な愛なのでしょう。良い子を演じて一生懸命気を張って生きていた高校生未樹が唯一心を許せる場所が、大人な浅海の側。

読んでいるこちらも浅海が出てくるとほっとしちゃって、どんどんストーリーに乗せられてしまいました。

でも浅海も一生懸命年下の未樹を愛していて、大人としての余裕も何もないってさらけ出すそんな純粋な愛にあてられちゃいました・・

純愛小説ですぅ・・腐ったおばさまたちの心に一服の清涼剤。

月村作品てほっこりしますね。主人公たちの苦しさも、せつなさもべたべたしてません。

泥臭い、人間身あふれる愛憎劇も良いんですが、日頃お茶の間に押し寄せる下世話なニュースで既に満腹している今日この頃、月村作品のように静謐で清らかな愛に満ちあふれたものが、無性にほしくなることがあるんですよね。

なんておばさまたちって、欲深いのでしょう・・別腹って「スィーツ」に限った事ではないようです。(笑)

無事カップルになった、お二人の続編あります。「いつか青空の下で」カミングアウトして家族に認めてもらえるようになるまでの、こちらもなんとも切ない作品です。いつか青空の下手をつないで歩きたいねっていう本当にささやかな願いなのですが、これがなかなか大変なのです。

でもなんとか家族にわかってもらおうと2人で誠意をつくします。その辺のBL作品だったら家族をすてて出て行くだろうに、月村作品は違います。

最期まであきらめません。けなげな2人を応援しながら、涙がこぼれました。許してやろうよ、父ちゃん、母ちゃんって。

いいもん読ませてもらいました・・・(^-^)

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